A-POWER 6月号掲載 第4回目
文:編集部
写真:佐藤安孝
キャデラックとリンカーンの頂上対決が激化!T-900兄弟モデルたちも続々と上陸開始!

本誌の最新モデル情報収集部隊が入手した情報によると、新型エスカレードを始め、
要注目の大物が続々と上陸している。今回紹介したタホの兄弟モデルたちへの注目がおおいに集まるが、
エスカレードとナビゲーターの宿命の対決にも目が離せない!

超熾烈なSUVバトル!


GMの怒濤の新型攻勢に対抗するべく、フォードとクライスラーからも意欲的なSUVが登場。フォードのフラッグシップであるナビゲーター、クライスラーとしては初のフルサイズ級のSUVとして誕生したアスペンらも、GMT-900シリーズに匹敵する性能と品質を与えられたモデルとして、SUV市場を賑わして賑わしてくれる。上陸が待ち遠しい。これからの一年はビッグ3のSUVバトルに釘付けにされそうだ。
新型タホに採用された新しいプラットフォームを持つモデルたちが、これから続々と日本上陸を開始する。ここまで、ザッと24ページものスペースを費やして紹介してきたので、新型タホの出来の良さは十分ご理解いただけたと思うが、タホの出来が良かっただけに、兄弟車のGMCブランドはもちろん、より上級クラスに位置するエスカレードやサバーバンらのモデルの出来も素晴らしいと断言できる。想像するだけでワクワクするほどだ。T900のシャシーを用いたモデルの中でも、もっとも注目すべきはキャデラック・エスカレードだろう。GMのフルサイズ・SUVのフラッグシップの威信が注ぎ込まれた渾身作で、新型タホのあらゆる部分に見られたGMの「気合い!」が最高潮に達したモデルである。6.2リッターのエンジンは400馬力に達した最強版。同じ6.2リッターのGMCユーコンよりも上位グレードには22インチホイールが標準で装備されるなど、スペック的にもフラッグシップに相応しいものとなっている。早くも各地で上陸情報が飛び交っているようだ。最大のライバルであるリンカーン・ナビゲーターもデビューしており、日本でも先代モデル以上に激しいバトルが繰り広げられることが目に浮かぶ。先代モデルの場合は、日本に上陸した台数としてはナビゲーターに軍配が上がったが、すでに本国で実車を見てきた関係者の声を聞くと、「新型ナビゲーターは微妙…」などというネガティブな感想が多く、やや不安を抱かせる。しかし、取材班としてもマーク中のモデルであり、詳しい情報が入り次第にアナウンスするので期待していてほしい。次号ではエスカレードの詳解情報をお届けできるだろう。

シボレー・サバーバン


新鋭プラットフォームT-900のロングホイールベース版の中核モデル、サバーバンも上陸真近となっている。受動安全性能がもっとも高められたモデルとして、本国では早くも人気を博しているという。環境への配慮や原油高騰問題などでその存在を危ぶむ声も聞かれるフルサイズSUVだが、少なくとも今の所は歓迎されている。日本と欧州で景気が上向き傾向にあるということも、GMにとっては明るい状況であるといえるだろう。

GMC・ユーコン


オフィシャルフォトが公開されてから、フロントマスクのデザインが大いに話題となったユーコンの上陸も近い。伝統的にシボレーブランドとは一線を画すデザインコンセプトのもとに存在してきたわけだが、GMC史上初の「癒し系」フェイスに拒絶反応を示す人は日本では少なくない。だがその一方で、「ダサイけど、逆にイジり甲斐があって楽しみ」とコメントする関係者の声も聞かれる。他のモデルとは違った意味で興味深い1台だ。

シボレー・アバランチ


現行モデルにも今だ新鮮さが失われていないSUTのアバランチも新型へと移行。エクステリア的にはもっとも保守的な内容となったが、それはいまだに従来モデルが色褪せていない、ということが背景にあるようだ。メカニズム的には新型タホの内容に準じたもので、コンフォート性能を本気で高めたSUTとして、エスカレードのEXTと同等のプレミアム感を備えるにいたった。キャラがカブることによる同士競合がGMの悩みのタネ。


新型タホに日本で一番早く乗ることができた二人のホンネ


ぶっちゃけ、新型タホってどーだったの?

名古屋巡業取材で発見した、新旧タホの真実とは…?



アメ車雑誌記者歴8年のイシヤマ(左写真上)と、ちょい古アメ車オーナー歴2年のタカノ(左写真下)が名古屋での新型タホ取材の中で感じたことを赤裸々に語り、新型タホについて、これからのアメ車について本気だして考えてみた
 
――編集者とは、良いもの、面白いものをどう読者に伝えるか?を常に考えて企画を立案実行している裏方的存在。だから、決して表舞台に立つこはない。が、実はよくよく考えてみると、裏方とはいえその対象物に一番触れているのが編集者であったりする。ハッキリ言ってそこいらのライターよりもモノの善し悪しを分かっていたりすることもある。ちなみに裏話も知っていたりする。だからタホに関しては、長時間車両移動をしていた編集部員に登場してもらってタホの総論を語ってもらうことにした。ということで、クッシーの愛弟子との異名を持つタカノ君、どうだった?

タカノ/凄く良かったです。モノ自体の精度も高くなっているしカッコに迫力が伴った気がします。室内の品質も断然高く、言い古された感じですが「アメ車を超えた」と。

イシヤマ/またとぼけたコメントしてるね。ハッキリ言いなさいよ!どうなのよ?

タカノ/はい、いい感じでした。いや、良かったですけど…。実は旧型タホも良かったです。


イシヤマ/ほらね。もっと詳しくどうぞ。

タカノ/はい。いや、たしかに新型はものすごく良くなってカッコもいいし、何もかも良くなってますけど別に旧型も悪くなかったです。ボクのDNAには、すでに旧型シボレー車のフィーリングが刻まれたみたいでして…。

イシヤマ/そんな良かった?旧型。

タカノ/はい。でも比べると新型の方がめちゃくちゃ良いのは分かるんですが、だからといって「旧型はダメ」っていう気にはならず、逆に積極的に選んでもいいかなって…。ほんとステアリングなんか軽くてダラッーとしてるんですが、でもそれが嫌にならない。「のんびり行こうよ!」って気になります。

イシヤマ/まあ、たしかにね。けどさぁ、オレは逆にだからこそ新型の方が良い気がしたんだけどね。いま企画でやってるハマーH3もそうなんだけど、最近のGM車って、クルマがもの凄く良くなってるじゃない。特に車体がシッカリしてきてて。H3なんてH2よりもガッチリしてるし、ブレーキもめちゃくちゃシッカリしてる。H2とH3との間では、「やれV8だの、ホンモノだの、廉価版だの」と内外でいろいろ論争が繰り広げられてるみたいだけど、値段と出来とを考えたらH3を買った方が絶対に満足できると個人的には思ってるんだよね。やっぱり、車体の出来、不出来って運転している人間にかなりの影響を及ぼすと思うのよ。大きな声じゃ言えないけど、●●●●さんのカ○ロ…、高速走ってるうちにバラバラになるんじゃないかと思ったもん、ボディ、ペナペナで。むかしの話だけどね。そういう意味では、今回のタホ、かなりオススメだと思いましたね。運転していて怖さをまったく感じなかったし。私が常々感じていたアメ車に対するネガな部分が、ほとんど払拭されたという感じかな。

タカノ/ネガな部分って?


イシヤマ/個人的な意見だけど、アメ車は「スタイル」と「大排気量エンジン」が魅力と、いつも考えているのよ。最低でもこのウチのどちらかを魅力として持っていて欲しいと。でも、これまでのアメ車は、こういう魅力を持ってはいても、実際に乗るとステアリングはブワブワで、ブレーキがめちゃくちゃプア、さらに高速走るとフワフワを通り越して、危険じゃないかと思うことがしばしばあった(あくまでも私の運転の仕方においてですが)。で、だからといって、ショック硬いの入れて、ブレーキパッド換えたりするとガチガチになっちゃって、今度は逆に一般道すら走りたくない状態になったりとかさあ。これじゃアメ車じゃねぇじゃん!ってね。何かねぇ、うまく言えないけど、「どうなんだろう」って思うアメ車にたくさん出会ってきたからね。でも今回のタホは、何も換える必要がない気がしますよ。ホント、良いクルマだったと思います。

タカノ/オッ。一台購入ですか。私も撮影をかねて長嶋温泉まで走らせました、しかもかなりの速度で。伊勢湾岸道もカッとばしましたが、たしかに全然怖くなかったです。正直、アメ車に乗るといつも安全運転ですから、それはそれで免許証の心配もいらないのでいいのですが、新型タホは普通に高い速域で巡航できましたからね。


イシヤマ/ブレーキが良いでしょ?フツーに安心して急ブレーキ踏める感じでしょ?ものすごい剛性感だもんね。「ジワーっ」とも「ガツン」とも両方行ける感じ。それとエンジンサウンドが結構キレイに聞こえてきて嬉しかった。やればできるんじゃん!アメ車。

タカノ/はい。この前のSTSもそうでしたけど、最近のGM系V8サウンドは、雑音が少ないですよね。昔みたいな大雑把な感じがなくなった(編集長のカマロみたいな)。でも今回のタホは、あえて意図的に音を出している気もしました。




――最近のアメ車は、クライスラー300CやキャデラックCTSなどに代表されるような「国際派」への転換を強いられているような気がしていましたが、新型タホはどうでしょう?

タカノ/たしかにそういう感じもしましたし、今回のタホは「レンジローバー」をかなり意識しているような気もしましたが…。


イシヤマ/たしかに横からみるとレンジローバーに見えなくもない(笑)。でもしっかりアメ車ですよね。まぁこういう新型車が出ると、「前のがいい」とか「アメ車じゃない」とか、みずからの先入観と価値観だけで新型車を認めない保守派の方々はどこの世界にもいるもんで、そういう方々には何を言っても無駄ですからこの際無視するとして、新型タホ、かなりいい「アメ車」でしたよ。カッコイイし。国際派ではないと思います。依然として昔の名残はきちんと残ってますからね。

タカノ/ただ、高い。

イシヤマ/ねぇ、そうなんだよね。ホント惜しいよ。700万以上だっけ?前回のモデルチェンジの時も価格帯が上がったから普及するのにもの凄い時間がかかったけど。今回は車格まで上がった感じだから、どうなることやら。

タカノ/700万円以上だとエスカレードやナビゲーター、H2なんかも視野に入りますからね。


イシヤマ/ねぇ。でもエスカレード、どうなんだろうね?このタホベースのが、もうじき日本に入るんだよね?スッゲェー良さそうだけど。


タカノ/はい。並行ですが。なにか噂では今度のエスカレードは並行しかないと。

イシヤマ/そうなの?。

タカノ/なんかLEDのテールライトが難儀だそうで。で、それに変わってタホを正規で入れるとか入れないとか。

イシヤマ/え?そうなん?

タカノ/ええ。それにしてもイシヤマ氏、やけに今回タホ誉めません?

イシヤマ/え?別に嘘ついてませんよ。良いクルマでしたから。ただ好き嫌いがハッキリしてるから誤解されるけど。実はこの業界に入ってからのタホ歴は相当に長くて、今回で通算4回目の特集担当なんだよね。やけに力が入っちゃったりしているのは事実です。サバーバンが企画になるときは、他のメンバーに譲るんだけど、タホはガッチリキープしてきました。よくよく考えると、これも何かの縁かなと。実際の所、新旧タホともに好きですしね(そういえば、企画もいつも新旧タホ比較でした)。

タカノ/タホとサバーバンとを比較すると、個人的にはそんなに変わらない気がするンですよ、想像の範囲では。ただあの全長で左ハン、さらに車幅2メートル越えのサバーを、都内で実際に動かす気にはなれないですよね。でもタホなら、ちょっとだけマシな気がしてました。今回も結構乗りましたけど、大きさは慣れますね。旧型よりも大きくなってますけど、両方乗って別に苦労することはなかった。少なくとも名古屋周辺では。

イシヤマ/それにしてもやっぱりSUVっていいよね。一時、ミニバン、ミニバンみたいな企画ばっかりやってたし、日本車でもそんな記事ばっかりやってたから、こういうビシっとしたアメ車に乗れるのが嬉しい。

タカノ/つい最近までは、「ユルユル、ワナワナで走りは△だけど、風情があってオシャレだからアメ車は○だよね」っていってたのが、遙か昔のようです。
イシヤマ/ははは。じゃあ旧型タホはそんな感じだったんですか?


タカノ/はい。いえ、でももう少し良かった気もします。そういえば先日JAIAでレンジローバー・スポーツに乗って相当凄いと思いましたが、タホもかなり良かったです。

イシヤマ/カイエンもね。でもさ、これからはアメ車の時代だと思うんですよね。それもノーマルでのんびり乗る時代。カイエンやレンジローバーもいいけど、あんなハイパフォーマンス、日本じゃいらないですから。それより基本性能はシッカリしつつも特徴のあるアメ車は、今後一層重宝されるような気がするんですよね。われわれは、いろいろなクルマに乗るから、ボディが硬くて、ものすごい速いクルマに体が慣れてしまってるんだけど、実際には今回乗ったタホ程度の能力があれば、十分ですからね。現に今回のテストでは気持ちよすぎて何度も居眠り運転し そうだったし。

タカノ/たしかに。今回の名古屋巡業は、タホしかり、昼飯の信長ラーメンしかりほんと新たな発見ばかりでした、でシメましょう!